「人を支援する」という仕事は、結果が明確に現れることがあまりありません。
患者さんや利用者さんが、良い方向に向かえば、支援者冥利に尽きるということでしょう。
しかし、そうでないことも多くあります。
自分が望まないような方向に進んでいってしまったり、かえって問題がこじれたり・・・。
良くない結果が続くと、疲労します。
そして、
・自分はこの仕事に向かないのではないか
・こんなことをやって、何か得することがあるのか
・もう辞めた方がいいんじゃないか
と感じるようになります。
日々、無力感と疲労感が重くのしかかり、燃え尽きたようになってしまいます。
私自身、ソーシャルワーカーとして仕事をする中で何度も、そのような事態に陥ったことがありました。
今回は、「ソーシャルワーカーが燃え尽きないためには」と題して、解決法を3点書いてみました。
Contents
スーパーバイズを受ける
スーパーバイズという言葉の意味については、ここでは詳しく説明しませんが、
「経験の長いソーシャルワーカーが経験の浅いソーシャルワーカーに指導、助言、援助すること」
です。
https://ameblo.jp/counselor-no-counselor/entry-12350326254.html
https://ameblo.jp/counselor-no-counselor/entry-12350326254.html
スーパーバイズを受けることで、
- 助言や提案を得ることができる
- 知識や技術を教えてもらうことができる
- 情緒的なサポートを得ることができる
以上のメリットがあります。
特に支援困難なケースの場合、行き詰まってしまい、心身ともに疲労することがあります。
そのような時、経験豊富なソーシャルワーカーから適切な助言や提案を受けることで、支援の方法に道筋をつけることができる場合があります。
また、自分が知り得なかった意外な制度の利用方法や、コミュニケーションの取り方等についても、アドバイスを得ることができます。
さらに、スーパーバイザーに共感してもらうことで、情緒的にも安心や落ち着きを取り戻すことができます。
職場内に経験豊富なソーシャルワーカーがいることが理想ですが、そうでない場合は、個人情報に気をつけつつ、外部のソーシャルワーカーに思いきって相談してみましょう。
私の経験上、どのソーシャルワーカーも真摯に相談に乗ってくださいました。
問題を切り離すこと
患者さんや利用者さんから相談を受けているうちに、問題を「抱え込んでしまう」ことがあります。
また「私が動かなくては」と患者さんや利用者さん自身ができることまで、代理行為を行ってしまうことがあります。
患者さんや利用者さんができる能力を奪ってしまうだけでなく、ソーシャルワーカー自身も疲弊してしまいます。
患者さんや利用者さんが抱える問題は、クールに客観視すべきです。
そして、患者さんや利用者さんが自分の力で問題を解決できるようにサポートしましょう。
「仕事で燃え尽きないために〜退陣援助のメンタルヘルスケア」水澤都加佐著 大月書店
自己覚知する
自己覚知とは、書いている字のごとく「自分を知る」ということです。
しかし、「自分を知る」ということはなかなか難しいことです。
自分がどんな人間なのかについて、全部知っていれば、悩むことも少ないでしょう。
ただし、自分の感情について客観視できれば、少しは対処の仕方も分かってきます。
自己覚知するために、私自身が行っている方法があります。
- 今、どのような感情を抱いているか
- その感情を抱いている自分を、もう一人の自分が頭上から見下ろしてみる。または少し離れた所から見てみる。
ということを行っています。
問題に入り込みすぎて、自分を見失ってしまう前に、自分自身の感情に気付くことが大事です。
そのためには、もう一人の自分から自分を客観視してみる。そして、どのように感じるか。
この方法で、冷静に対処することができると思います。
自分を客観視する、ということが重要なポイントです。
まとめ
燃え尽きてしまい、ソーシャルワーカーを辞めてしまった人もたくさんいます。
本来、燃え尽きないように組織的に対処することが最も良い対策と思います。
病院や施設等で、スーパービジョン等をしっかり実施しているところは増えてきつついると感じますが、まだまだ不十分と言えます。
また、入院施設がある医療機関においては、ベッドコントロールが重視され、ソーシャルワーカーの役割もその点に偏りがちになっているように感じます。
今回、特に参考にさせていただいた本は以下です。
仕事で燃えつきないために 対人援助職のメンタルヘルスケア [ 水澤都加佐 ] 価格:1595円(税込、送料無料) (2020/6/13時点)楽天で購入 |